ダイビングにおける「二次事故」の危険性について!!
ガイドに置いてけぼりにされたら,あなたならどうする・・・?
こんにちは!!JOJO's Diving Log !! 管理人のJOJOです!!
本日は少々重い話題,ダイビング中の事故について,少し解説していきたいと思います.
というのも,先日僕は神子元島という,ハンマーヘッドシャークが出ることで有名なダイビングスポットで潜ってきたんです.
この神子元島ですが,実は結構きつい流れがありまして,ドリフトダイビングのスポットでもあるんです.
だからこそハンマーなどの回遊性の魚との出会いがあるんですけどね.
ここでガイドの方に聞いたのが,「ドリフトダイビングは,潮流のせいではぐれて漂流してしまうリスクが高く,危険性の高い潜り方である」ということ.
OWのライセンスしかとってないような初心者の方にはとても潜らせることが出来ない,とも語っていました.
さらに,ドリフトダイビングの講習を受ける中で,ダイビングにおける事故についてお話を伺う機会もありました.
ということで,この記事内ではダイビング中に起こる事故,特にマジメな人ほど陥ってしまう「二次事故」の危険についても解説しておきます.
安全に潜りたいという方は是非一度読んで,次のダイビングの糧にしてくださいね♪
それでは参ります.
目次
ダイビングにおける「二次事故」とは何か
交通事故についての話の中で,度々「二次事故」という言葉が出てきます.
この二次事故とは,その名の通り二番目に起こってしまう事故.
例えば高速道路で車が衝突事故を起こしてしまった場合に,その後ろの車が止まりきれずに,最初に事故を起こしてしまった車に追突してしまうなどの事故のことを言います.
ダイビングの場合,二次事故は違った意味を持ちます.
分かりやすくするために,シナリオを用意しましょう.
ある日,数人のメンバーでガイドつきのダイビングを楽しんでいました.
仮に,ダイビング本数50本程度のAOWダイバーであるAさん・Bさん・Cさん,そしてつい先日OWダイバーからAOWダイバーにランクアップしたダイビング本数20本のDさんの4人で潜っていたとしましょう.
この時潜ったポイントは4人とも初めての場所なので,ガイドを1人付けて潜ることにしました.
一本目,浅場を回って体を慣らした後,2本目では深場(深度20mほど)の砂地に向かいました.
深い場所では水圧でスーツが押しつぶされて浮力が小さくなるため,BCDにエアを吸気して浮力調整をします.
ここで,DさんがBCDにエアを入れすぎてしまい,そのまま急浮上してしまいました.
DさんとバディだったCさんは気にかけているつもりでしたが,たまたま離れた場所にいたため,浮上を止めることができませんでした.
そこでガイドは,残りの3人にこう伝えました.
「自分がDさんを連れ戻してくる.あなた達はここで待っていて下さい.」
3人は承諾し,ガイドはDさんを連れ戻すために水面へと向かっていきました.
ガイドは水面でDさんを見つけて近寄ると,Dさんが苦しそうな表情をしています.
どうやら減圧症の症状が少し出ているようです.
そこでガイドはDさんを水面移動で陸まで連れて行くことにしました.
ここで,ガイドは大きなミスを犯します.
それは,水中で待っている3人に,Dさんを陸まで連れていくことを伝え忘れてしまったことです.
水中に取り残されてしまったAさん,Bさん,Cさんの3人は,ガイドの「ここで待っていて下さい」という言葉をただひたすら信じ,水中で何分も待ち続けていました.
しかし,それはCさんの「エアが少ない」というサインによって止められます.
地形もわからない場所でバディが急浮上してしまった,それに加えてガイドもいない.
Cさんにとって,これほどのストレスはなかったことでしょう.
突如としてエアが切れてしまったCさんはパニックを起こし,そのまま水面へと上がっていってしまいます.
Aさん・Bさんの静止も間に合わないまま,Cさんは一気に水面へと浮上したため,減圧症にかかってしまい意識を失ってしまいました・・・.
これが,ダイビングにおける二次事故です.
急浮上などの一次事故が起こってから,それが要因となって別の人が事故を起こしてしまう.
こういった事例も少なくありません.
今回の事故では何が悪かったのか.
二次事故を防ぐにはどうすればよかったのか.
次からは二次事故の予防について解説していきます.
二次事故を予防するには!?
先程のシナリオでは,実は判断ミスが2箇所存在します.
一つは,ガイドが自分がDさんを陸まで運ぶことを水中の3人に伝えなかったこと.
これを伝えることで,3人の心的負担はかなり軽減したことでしょう.
そしてもう一つは,3人がガイドに言われたことに忠実に従い,水中でずっと待ち続けたこと.
日本人の良い所なのか悪い所なのか,ダイビング中はガイドの後ろにピッタリとくっつき,ガイドに言われた通りに振る舞う.
ガイドに「水中で待て」と言われたら,自分のエアが少なくなるまでずーっと待ち続け,エア切れするまでそのまま.
それでは,いけないんですよ.
ダイビングでは,あくまで自分のことは自分で管理する.
自分の面倒は自分で見ることが必要不可欠となってくるんです.
先程のシナリオでも,Cさんのエアが少なくなる前に水中で待つのをやめて,一旦水面にゆっくりと上がり,陸の状況を確認してもよかったはずです.
万が一水中での場所が分からなくても水面から確認すれば,ある程度の方角はわかったはずです.
なのに,ガイドの言葉を忠実に守り続けた.
これは真面目さの裏返しでもあり,真面目であることが悪いことではないのですが,ダイビングの場合そうはいかないのです.
自分のエアが切れる前に,生きて帰るためにはどうするか考える.
ガイドがいない状況で,自分たちだけで帰るための最善の方法を模索する.
これが,事故が起きた状況において,二次事故を防ぐための一番の予防法なのです!!
まとめ:自分のことは自分で守る意識を身につけておこう!!
ということで,ダイビングにおける二次事故の危険性とその予防について解説してきました.
終始暗い話となってしまいましたが,いかがだったでしょうか...
このように,「ダイビングに事故はツキモノ」とは言いませんが,命の危機に陥る可能性はゼロではありません.
そういった時,あなたはちゃんと生還できますか??
自分のことは自分で守る.
決してガイド任せにはしないで,万が一の時に対処できるようなスキルを身につけることが,一人一人のダイバーには求められるのではないでしょうか.
とはいっても,そこまで成長するにはどうしても時間がかかります.
まずは一歩ずつでいいので,一人前のダイバーに成長していきましょう♪
ということで,ここまで読んで下さりありがとうございました!!
それでは,また.
Enjoy~♪