管理人がダイビング中実際に遭遇したトラブル4パターン!
↑ ウツボ先輩.噛まれると痛い.
ダイビングは些細なトラブルが事故の素となります!
こんにちは!最近,海行ってますか~!?
JOJO's Diving Log !! 管理人のJOJOです♪
先日,Youtubeでとある動画を拝見たのですが,ボートからエントリーした瞬間,その真下で急激なダウンカレント(下向きの強い流れ)が発生していて,あれよあれよという間に深場まで引き込まれていく・・・というなかなか強烈なものでした.
怖くて泣きそうになりました.というか泣きました.
幸いその動画では近くにいたインストラクターが駆けつけて,BCDにパンパンに空気を入れることでプラスの浮力を作り,その力で水面まで浮上することで無事生還できていました.(よかった!)
海は生き物です.いつどんなことが起きるのかは誰にもわかりません.
潮の流れなど大まかな情報はインストラクターも手に入れられるのですが,実際のところ何が起こるかは運次第なのです.
僕はいままでのダイビング人生の中で,ヒヤッとする経験が大きく4つほどありました.
この記事ではそんな僕の経験について詳しく書いていますので,同様の事態が起きた時に少しでもあなたの参考になればと思います.
反面教師ってやつですね(-_-;)
では,参ります.
急激な流れに遭遇した!
2016年7月.ダイビングサークルの後輩がAOW講習を行うということで,先輩として見守るために一緒に参加しました.
僕がいつも利用しているショップではAOW講習は二日間で行われ,うち一日はボートダイビングの経験をつませるためボートを出してくれるダイビングスポットに向かいます.
この時も一日目はビーチエントリーのスポットで水中スキルの確認(ナビゲーションなど)を行い,二日目はボートエントリーができるスポットを選びました.
この二日目がかなり大変でした.
まずボートからバックロール(後ろ向きでバシャーンと飛び込む方法)でエントリーした瞬間,体がかなりのスピードで引きずられるのを感じました.
急いで近くに浮いているブイまで泳ぎ,水底まで伸びているロープにしがみつきながら潜行するのですが,常に体が横向きに流されているわけです.
鯉のぼり状態.
経験本数が多い僕なんかはまだいい方で,この日AOWダイバーに認定してもらえるハズの講習生の女の子は,この時すっかり怖くなってしまったそうです.
そんな急激な流れに遭遇した場合どうすればいいかというと,水底の岩や生えてるカイメンを掴んじゃってください!
流れの中をただ闇雲に泳ごうとしても,いたずらに体力を消耗するだけです.
そうしてバテるとエアの消費量が上がってしまい,結果的にエア切れを起こしやすくなってしまいます.
ですので,流れが強いときは壁など周りの岩を掴み,ほふく前進のように腕の力で進むと,泳ぐよりも楽に前方へ進むことができます.
それで,どうしても壁や水底から離れた場所を移動しなければならない時だけ足の力で進むようにすれば,とても効率よく移動することができますよ♪
この時も潜る前日のブリーフィング(会議的なもの)に流れが強い時の対処法を伝えていたので,僕がお手本を見せると後輩たちも思い出したようで,その後もダイビングを安全に続けることができました.
ということで,流れが強い時の対処法:
「周りの掴めるものを利用して,腕の力で進む」
岩のすき間に挟まった!
2016年1月.僕の利用するショップでは,ダイビングの前日に旅館を借りて宴会を開き,美味しい海の幸をいただきながら各々親睦を深めつつ,翌日みんなで潜るというイベントを度々開催いたします.
この飲み会で過度のアルコールを取りすぎると翌日ダイビング中に気持ち悪くなり,水中でお魚に餌をやるハメになるのですが・・・それはまた別のお話.
この日も前日は一緒に潜るメンバーと美味しいお酒を飲みつつ,翌日のブリーフィングなどをおこなっておりました.そして次の日,ボートダイビングをするわけですが・・・
二本目,事件が起きました.
いつも通りインストラクターの後に続きながら潜っていくのですが,途中大きな洞窟があり,その付近を各自散策することになりました.
僕はというと,洞窟の中を見て回ったり,岩と岩の間を「何かいないかな~」っと探索していたり.
その時,見つけちゃったんですね.
岩のすき間にイガグリウミウシがいるのを!!
やった~とか思いつつゆっくりアプローチしていくのですが,うまいこと近づけない.
そこで「よし,もう入っちゃえ^o^」と,岩のすき間に体ごと入り,思う存分ウミウシ撮影を堪能していました.ウミウシ狂いとは我のことぞ.
で,満足して撮影を終え,よし出るか!と体を動かすんですが・・・
抜けない.笑
「やっべぇ~~(^_^;)」と内心焦りつつ,ゆっくり体を引き抜こうとするのですが,背中のタンクが岩に当たり,おなかにつっかえて出れない(注:太っているわけではない)・・・.
このまま置いていかれたら,エア切れで最終的に溺死します.
とは言ってもインストラクターもプロですから,節目節目でしっかり人数確認はとっているので,誰かいないとわかった瞬間引き返してくれるはずですから,そうそう置いてけぼりで死ぬなんてことはないわけですが・・・
こんな時は,思いっきり助けを呼んじゃって下さい.
具体的には,大きな声を出すとか,レギュレータのパージボタンを押してエアを大量に出して周りに気づいて貰えるようにするとか.
ほどなくして,あなたのバディ,もしくは一緒に潜っている方が助けに来てくれると思います.
僕もこの時「あぁ~~どうしよ~~」とか考えていたら,前日の宴会で親睦を深めていたサークルOGの先輩(この日バディでした)が気付いて下さり,すき間から引き抜いてくれました!九死に一生!!
あとで聞いたところによると「面白いから途中まで見守ってたけど,泡の出る量が増えてきたから助けてあげた」とのこと.先輩様々です・・・
ダイビングは基本的にバディと一緒に潜るので,何か自分では解決できない事態に陥ったらバディに頼るのもアリです.頼りまくりはダイバーとしてどうかとは思いますが.
ということで,挟まった時の対処法:
「バディに助けてもらう,バディとは仲良くしておく」
めちゃくちゃ大きい波に襲われた!
2015年6月.この日は新しく入った1年生のOW講習を行うということで,講習のアシスト要員としてついていきました.
OW講習は通常3日間かけて行い,1日目はプールで器材の使い方に慣れていき,次の2日間は実際の海でスキルの確認をしていくというスケジュールになっています.
その日も前日のプール講習を終え,講習生たちは初めて海に入るぞ!という段階でした.
ですがこの日は海がかなり荒れており,多くのスポットが潜水禁止,向かったポイントも潜水禁止手前というくらいに高い波が寄せていました.
エントリーする出入口には時折2メートルほどの波も生まれており,食らったらひとたまりもないな・・・と思ったのを覚えています.
大きな波が収まった所を見計らって,エントリー・エキジット(海に入る・海から出るという意味)をすることでなんとか1本目は終了したのですが,2本目でそれは起きました.
慣れない講習生を引き連れてなんとかエントリーまで済ませ,水中のスキルを終え,あとはエキジットだけすれば講習は終了!という時です.
出入口とにざわざわと波が立ってきました.まだあの程度の波なら急げば巻き込まれずにエキジットできる!そう思い,バディの講習生と一緒にエキジットを始めました.
ですが,慣れていない時って,エキジットに案外時間がかかるんですよね.
フィンについているストラップを緩めて,かかとから外して,足先からフィンを引っこ抜いて,もう一方の足も同じことを繰り返して・・・.
と,講習生のフィンを脱がせる間に,波がどんどん大きくなってしまいました.
早く上がるぞ!と指示を出すも,講習生はあたふたするばかりで進まず・・・
と,その時遠くから「デカい波が来るぞーーー!!」と,海を見ていた人が叫びました.
後ろを振り返ると,3mはありそうな巨大な波が,僕たちを飲み込もうとしていました.
波に揉まれる最中,僕は出入口に設置してある手すりに掴まりながら必死に耐えていました.
波が収まり,ふらふらになりながら立ち上がると,バディの講習生の姿が見えません.
どこに行った!?とあたりを見回すと,手すりを越えて5mほど離れた岩場に,講習生が打ち上げられていました.
幸い打ち付けられたなど大きな怪我はなく,周りの人に助けられながらエキジットしましたが,この時しっかりと講習生まで掴んであげられなかった自分が悔しいです.
と,このようにエントリー・エキジットをする時大きな波に襲われそうになった時,対処法としては2つあります.
一つ目は,出入口に設置されている手すりやロープを絶対に離さないこと.
波は自分が思っている以上のパワーを持ってぶつかってくるので,掴むものがないとすぐに転んでしまいます.
なので,エントリーの時は手すりをしっかり掴みながら,膝から上まで水深がある所まで歩いていき,エントリー.エキジットの時は足が地面に着く場所まで泳いだら手すりを掴み,後ろ向きに後ずさりしながらエキジット.
これを意識するだけで陸⇔海のアプローチが格段に楽になります.
そして二つ目の対処法は,波が来たら逃げるのではなく,むしろ海に向かって泳いでしまうことです.
エントリー中ならもう波とぶつかるタイミングでそのままエントリー,エキジットなら一旦あきらめて海に引き返す,ということです.
というのも,波が一番大きなパワーを持つ地点というのが決まっており,そこを超えて沖の方へ出てしまうととたんに波の力が弱まります.
なので,大きい波が来そうな時,逃げられそうなら陸にサッと逃げる.
逃げられそうにないならむしろ沖に出て,またタイミングを見計らう.
この選択肢をしっかり頭に入れておけば,波をモロに食らうということはなくなります!
ちなみに,僕は波が高い時の方がエキジットしやすいです.というのも,波のパワーが強い分陸の近くまで運んでくれるので,フィンをさっと外した後は体を波に任せてしまうと,足の着くところまで運んでもらえるのです.
そして足がついたら小走りで上がる,という方法をいつもやっているので,上級者の方はやってみたらいかがでしょうか?(笑)
対処法①:「手すりやロープをしっかり掴んで流されない・転ばない」
対処法②:「むしろ海に向かって泳いでいく」
インストラクターとはぐれた!
あれは2015年の12月.この日はダイビングサークルの先輩・後輩が多く集まり,ワイワイ楽しくダイビングをする予定でした.
経験がない方にはよく間違われるのですが,基本ダイビングは一年を通して楽しむことができます.
ただ,冬場は当然水温も下がるため,夏場のウェットスーツでは潜れません(低体温症になってしまいます).
そこで,冬のダイビングでは「ドライスーツ」という,内側に空気の層を作ることで断熱性を高めたスーツを着用します.
このドライスーツの中の空気量は,タンク内の空気を供給することで調整できるのですが,入れすぎてしまうと浮力が付きすぎて急浮上へと繋がってしまいます.
この日も水温が冷たく,全員がドライスーツでダイビングに挑みました.
このうち当時大学1年生だったメンバーは初めてのドライスーツということもあり,扱いに不慣れでした.
ですので,1年生1人に対し上級生1人がバディとなるよう配慮していたのですが・・・
この日2本目のダイビングで,その事件は起きました.
コース取りも終盤に差し掛かったエントリーから30分あたりで,バディの1年生が急に浮かび始めました.
どうやらドライスーツに空気を入れすぎてしまったみたいです.
運の悪いことに,僕たちはメンバーの中でも最後尾を泳いでいたので,彼女が急浮上していったことが僕以外気付いておらず,僕が一人で救出に向かうことになりました.
この時,深度は15mほどあったと思います.
1年生のもとへ辿り着き,まずは落ち着くように言い聞かせました.
それから,耳抜きに注意しながらゆっくりと潜っていき,元の場所へと戻っていったのですが・・・
メンバーが移動してしまった後で,誰もいない.
周りを見渡しても,他の人が吐く空気の泡も見えない.
これがインストラクターとはぐれてしまったこと,俗にいう「ロスト」というやつです.
今でさえこの日潜っていたポイントの地形は完全に把握できていないのですから,当時は水中での居場所が全く分からず右往左往していました.
うっすらと,
「このままインストラクターと合流できなかったらどうなるのかな~,最悪死んじゃうのかな~泣」
とか思っていました(笑)
こんな時の対処法ですが,僕はもう水面に浮上しちゃいました.
というのもこの時潜っていたポイント,水面から大きな岩が顔を出していて目印になっていたのです.
なので今自分がどの場所にいるか,この岩のおかげで理解することができ,若干パニックで鈍っていた判断能力が回復しました.
また,この時1年生が気付いてくれたのですが,インストラクターの方が水面から探してくれていました.
ちなみにいつも利用するダイビングショップは夫婦で経営しており,人が多い時は二人でインストラクターをしてくださいます.
なので水面と水中から僕たちを探してくれており,結果水面で見つかった,ということでした.
このように,水中では自分がどこにいるかわからなくなったとしても,水面から顔を出して確認すると位置がわかるということもあります.
ただ,水中では全く流れていなかったのが,水面だけ大きく流れているなんてこともあり,この方法が必ずしも正しいとは限りません.
水中のはぐれたポイントでずっと待っていれば,インストラクターが引き返して発見してくれることもありますので.
なので,はぐれてしまったら水中でしばらく待ってみて,エア切れを起こしそうとか,外を確認した方が場所を把握できるとかそんな場合には,水面まで行って外を見てみましょう.
ちなみに,僕はこのポイントを潜るとき,必ずシグナルフロートを持つようにしています.
シグナルフロートとは蛍光色の浮き袋で,水中で中に空気を入れるとふくらみ,周りに存在をアピールすることができる器材です.
ですので,今度水中でロストしてしまったら,改めて使ってみようと思います.
使わないに越したことはないんですがね!笑
対処法:「しばらくその場で待機し,引き返したインストラクターとの合流を待つ.分かるようなら水面から顔を出し,位置関係を把握して進む」
まとめ
ここまで,僕が実際に体験したトラブルの4パターンについて書きました.
もっと細かいトラブルや失敗であれば,ここに書ききれない程経験しています・・・(笑)
しかし,トラブルはいくら注意していても起こるときは起こるものです.
ですから,大事なのは
「そのトラブルから,何を学ぶか」
です.
その出来事をどう次に生かしていけばよいのかを考えると,きっとダイバーとして一つ成長できると思いますよ♪
あなたのダイビングが,事故なく楽しいものとなることを,祈っております.
それでは,また.
Enjoy~♪